仕事のやりがい

作業療法士としての仕事のやりがいについて考えることが増えてきました。それは自分の仕事についてもそうですが、リワークのサポートに関わることが増えてきたかもしれません。

作業療法士(OT)や理学療法士(PT)を目指して養成校を選び、様々なことを学びそれを活かして臨床実習経験しを国家試験に合格することでようやくOTやPTとして働けるようになります。

国家資格の中では簡単と言われているかもしれませんが、取得までの過程は長く、国家試験も合格するためにはかなりの努力が必要となります。

その中で医療職者としてのスタートラインに立った後に思い悩み働けなくなる方がいます。

理由は様々ですが、理想と現実のギャップや仕事のやりがいで悩む人が多いように感じています。

今回はOTのやりがいについて考えて行きたいと思います。OTの仕事にやりがいを見いだせない方やOTとして仕事を続けていくべきかに悩んでいる人のヒントとなれば幸いです。

急性期病院での仕事のやりがい

急性期におけるOTとしてのやりがいは患者さんの回復をサポートできている感覚とOTとしての知識と技術をベースに急性期から在宅へつなげることができた時だと思います。

急性期病院でのOTの仕事は患者さんの回復のサポートがメインとなります。

以前に比べてOTが処方される範囲も拡大した印象があり、脳血管障害や整形外科疾患に加えて、心大血管やがん等への対応も求められます。

それらの疾患に加えて患者さんはご高齢の方も多いため認知症を患っている方も多くいらっしゃるためそのアセスメントや対応方法でもOTのスキルが役立ちます。

セラピストが担当する患者数は多くなるため忙しくなる印象はあります。

また急性期であれば医師・看護師が全力で患者さんを治療と看護をしておりその目的や内容をしっかりと把握することが今後の方向性を検討する上でも必要となります。

現在は急性期病院から自宅へ退院されることが増えているために、在宅へつなげるための制度(介護保険等)や住宅状況に関する知識を知り、多職種との退院に向けたカンファレンスでのOTとしての意見がしっかりと話せる必要があります。

コミュニケーションは対患者さん・ご家族、対医療スタッフ、対院外職種(ケアマンジャーや福祉用具の業者さんなど)と円滑に図れるようにならなければなりません。

以上だけでも学ばなければならないことが多く、それのどの知識が不足していてもOTとしての仕事に支障をきたしてしまいます。

回復期病院での仕事のやりがい

急性期病院での治療が終わり、もっとリハビリが必要な場合は回復期病院へ入院することになります。

回復期病院ではリハビリがメインとなるため患者さんは多くの時間リハビリをして過ごすことになります。

そのため患者さんは急性期病院ではできなかったことができるようになり、生活の再構築が図れるようになることで患者さん自身の新しい生活スタイルが獲得できるようになります。

そのサポートをしていけることが回復期病院でのやりがいなのではないでしょうか。

病院でもリハビリが目的なのでOT自身の意見も話やすく、その意見も尊重されることが増えるため自己効力感も高めることができると思います。その分OTとしての責任も重く、しっかりと知識と技術を高めることが必要となります。より患者さんの生活に密着してリハビリをできるのが回復期病院の魅了だと感じています。

リハビリ関連の先端機器に関しても回復期病院の方が多く取り入れている印象があります。

例えばドライブシミュレーターや随意運動介助型電気刺激装置、体重免荷装置など病院にもよりますが、様々な機器を使用して患者さんのリハビリを行うことができる場合もあり、新しい技術を使用したリハビリが行える場合もあります。

訪問リハビリでの仕事のやりがい

OTは地域に出てこそ、その手腕を発揮できるのだと思います。

その点において訪問リハビリ(患者さんの自宅まで出向いてリハビリを行う)はOTの仕事としてやりがいを感じることが多いのではないでしょうか。

諸外国ではOTは地域にいる職種との認識が高い国もあり、日本でいう保健師さんのようにエリアごとに配置されたOTがいると聞いたことがあります。

日本ではまだまだ病院に勤務するOTが多数ですが、患者さんの生活を整えていく職種としては、OTは最適かと思います。

友人のOTはお看取りまで実施できる訪問診療所に努めています。患者さんの希望に寄り添い、患者さんの希望した作業を家族とともに最後までサポートしできることに大変やりがいを感じています。

訪問リハに従事するにはそれ相応の知識と技術が必要となります。その友人も急性期病院、回復期病院を経験した上で現在の訪問リハに従事しています。

急性期でのリスク管理や回復期での目標設定方法など多くの知識と経験が今の仕事に大変役立つと話をしていました。

介護老人保健施設での仕事のやりがい

介護老人保健施設(老健)の目的は施設で生活を安定させて自宅に帰ることを目標としています。それにはやはりリハビリを行うことが必要となります。

病院に比べて老健では医療職種に比べて介護職員の数が多くなります。実際に入所者の方の生活のサポートを直接行うのは介護職員の方となり、医療と介護の連携が重要となります。

老健でのOTは個別のリハビリに加えて、グループ活動(趣味活動や制作活動、体操等)の運営等も行います。また通所リハを併設している老健も多く、通所リハでの業務に携わることもあります。

老健でのOTは医療を離れて、生活期がメインとなるため楽しく活動し心身機能を高め、医療にお世話にならないように食い止めることが目的となります。

なので個別の心身機能を評価し、活動を提供できるOTにとっては老健も手腕を発揮しやすく、大変やりがいのある職場となります。

最後に

OTの職域は広がっているため、司法領域や免許センター、教育分野で活躍しているOTもいるとお聞きしたことがあります。

OTとして働くことはやりがいを感じることも多く、世間がイメージしているよりも働きがいのある職種だと感じています。

これからOTになる方はぜひいろいろと経験していただき、自分に合った領域を見つけていただければと思います。

現在OTとして働いている方でも急性期が合わないとしても老健での働き方が合うなど、OTによってしっくり来る領域が異なります。

もし現在の職場が辛いと感じる時はきっぱりと辞めて次の職場を探すことも大切かもしれません。自分に合ったOTのスタイルを確立できるとやりがいを感じながら仕事ができると思います。

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