プロスペクト理論 人の損得勘定

先日ひげ剃りを買いに行き、A店で何も考えずに購入しました。その後でB店に行った際にふとひげ剃りコーナーを見ると500円も安く売られているではありませんか。

これを見た時に感情が揺さぶられました。なんてとんでもない誤ちを犯してしまったのかと。

本気でA店に返品に行こうかとも考えましたが、さすがに諦めました。

ここで働いた損得感情は何だったのでしょうか。

心理学を勉強する中で、人の損得勘定についての理論があったのでご紹介します。

これを読むと人がなぜ損をすることを嫌うのかが理解できると思います。

プロスペクト理論とは

行動経済学で提唱された理論の一つです。プロスペクト理論とは、プロスペクト(prospect)とは、英語で「期待」や「予想」という意味し、予想される利害額や確率などの条件によって、人間がどのように意思決定を行なうのかをモデル化したものです。

例を上げると

  1. そのまま選べば7000円もらえる
  2. 7割の確率で10000円もらえるが、3割の確率で0円

上記2つを選ぶ場合大抵の場合は1を選ぶ確率が高くなることが分かっています。

また

  1. 何もしなければ7000円を支払う
  2. 7割の確率で10000円を支払うが、3割の確率で0円でOK

この場合は2を選ぶ人が多いとされています。

ここからもわかるように、人の判断基準は論理的・確率的な判断ではなくバイアス(歪み)のかかった判断になりやすいと考えることができます。

そして人は損をすることに過敏だと言えます。

人は損失を回避しようとする習慣がある

私達は得ををしたことよりも損をしたことに対して大きく反応する心理的傾向があります。

得した感情よりも損した感情の方が強い

私がひげ剃りを買った時に他店で安いモノを見てガックリきて、返品しようと思ったことにはこの心理が働いたといえます。実際には返品しませんでしたが、返品にかかる手間や移動に伴う時間、ガソリン代を考えると決して得をする行動ではないと思います。恐らく逆に安く買えていた場合は軽く得したなとは思いますが、ガックリ感と比較すると比にならないと思います。

感情と金額は一致しない

金額に関しても感情とは大きく関わらないようです。

これは家を建てたことがある人は分かるかもしれませんが、普段では3~5万円といえばかなりの金額ですが、家を建てている途中でこれはオプションで5万円アップとなりますと言われてもそんなもんかと思ってしまいます。家を建てる時は大きな金額を目の辺りにしているので、普段の5万とは異なり小さい金額に感じられてしまうのです。

高い確率は実際よりも低く感じ、低い確率は実際よりも高く感じる

ある試験において予備校受講生の合格率が80%の場合は20%の人は落ちるのかと不安になります。逆に当選確率20%のくじは意外と当たりそうと感じるものです。これは人が客観的に確率を認知しているのではなく、高い確率を低く見積もり低い確率を高く見積もるバイアスが入ると言えます。

日常生活でプロスペクト理論を意識する

人は普通に生活しているとやはり損失に意識が向き、バイアスがかかっていることに気が付かない場合があります。これは人の進化の過程で、損失を回避する方が生き残る確率が高かったからと考えられ、人の遺伝子レベルで組み込まれたシステムなのかもしれません。

プロスペクト理論を知ることで適切な判断をしやすくなると思います。また逆に広告やCMを見た時にプロスペクト理論を使っているな~と客観的に捉えることができるようになります。例えば~この商品を使わないと~となりますよ。などと人の損失回避の気持ちに働きかけるコピーを見ても一旦考えられるようになるかもしれません。すぐに反応しなくなるだけでも大きな一歩だと個人的には思います。

心理学は生活に直結している場合が多いので勉強していても面白いですね。

また生活に関わる理論を学んだ際には備忘録としてアップしてみようと思います。

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